▲九山八海の庭(霊の庭)
九山八海の庭(霊の庭)
書院前庭は、遺愛石のある珍しい庭として、江戸時代中頃に出版された『都林泉名勝図会』に紹介されている。だが、300年の歳月は、庭をすっかり荒廃させ たが、昭和45年(1970年)に重森三玲によって修復された。これが九山八海の庭である。中央の遺愛石(いあいせき)を須弥山(しゅみせん、サンスク リットSumeru。この世界は九つの山と八つの海から成りその中心が須弥山であるという仏教の世界観)に見立て、白砂の波紋は山海を表現している。
遺愛石
高さ三尺、横四尺余りの青味をおびた小石で、須弥台の上に設けた四角い石船の中に据えられている。第7世住持の湘雪守源は肥後熊本の人で、藩主・細川忠利 と親交があり、和尚が霊雲院の住職になる時に、500石の禄を送ろうとしたが、「出家の後、禄の貴きは参禅の邪気なり。庭上の貴石を賜れば寺宝とすべし」 と申された。そこで細川家では、遺愛石と銘じた石を須弥台及び石船とともに寄贈した。
臥雲(がうん)の庭
寺号・霊雲をテーマにした現代的な枯山水庭園。重森三玲の作庭となる。渓谷に流れる川の流れと、山腹に湧く雲を白砂や鞍馬砂で表現している。
住所 | 京都市東山区本町15丁目801 |
---|---|
交通 | JR・京阪電車 東福寺下車 徒歩約5分 市バス 東福寺下車 徒歩約10分 |