仏像(東寺・兜跋毘沙門天立像)の特徴 現在、東寺の宝物館に安置されている兜跋毘沙門天立像(とばつびしゃもんてんりゅうぞう)は、平安京の正面入口(平安京の中央を南北に貫いた朱雀大路の南 端の入口)である羅城門の楼上に置かれていた像である。平安時代の末期には羅城門は倒壊し、兜跋毘沙門天像(とばつびしゃもんてんりゅうぞう)は東寺に移 された。 兜跋毘沙門天(とばつびしゃもんてん)とは、毘沙門天(びしゃもんてん)の一種で6~7世紀に中央アジアで生まれ、ホータンから中国の唐に伝えられ流行した。 東寺の兜跋毘沙門天立像(とばつびしゃもんてんりゅうぞう)は、一見して西域風の顔立ちであり、大きくつり上がり睨みをきかせた眼には黒目として鉱物が埋 め込まれている。また服装は、五面ある宝冠を被り、鎖を編んだ金鎖甲(きんさこう)という西域的な防具を着け、さらにその上に革製の中国的な防具を着けて いる。材質は中国産の桜であることから、中国・唐代の作であると考えられている。 現在は春と秋に公開される東寺・宝物館で、この兜跋毘沙門天立像(とばつびしゃもんてんりゅうぞう)を鑑賞することができる。 |
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安置場所 | 東寺・宝物館 |
指定 | 国宝 |
制作年代 | 唐代 |
像高 | 189センチ |
材質 | 木造 |
住所 | 京都府京都市南区九条町1 |
交通 | 市バス 東寺東門前すぐ 近鉄 東寺 徒歩5分 |