仏像(泉涌寺・楊貴妃観音像)の特徴
観音堂に安置されている観音像は、その美しさから楊貴妃観音と呼ばれ、8世紀の中国・唐代の皇帝玄宗が楊貴妃を偲び造らせたとの伝承を生んだ。 実際の制作年代は南宋時代と考えられ、月輪大師の弟子である湛海律師が、建長7年(1255年)に南宋から持ち帰ったものである。以後700年のあいだ秘仏とされていたが、1955年(昭和30年)から一般に公開されている。 宝相華唐草透かし彫りの大きな宝冠には、カラフルな色彩が残り、頭髪にも極楽の花である宝相華が飾られている。さらに手にも宝相華を持っている。顔立ちは 日本の仏像にはないエキゾチックな造形であり、面長で目鼻立ちが美しく彫りが深い、そして写実的な彫刻となっている。 揚貴妃にあやかろうと、美人祈願・良縁祈願の観音様として女性に人気がある。材質は香木の白檀である。
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