仏像(二尊院・釈迦如来立像・阿弥陀如来立像)の特徴
二尊院はその名の如く釈迦如来と阿弥陀如来のふたつの本尊を安置することから名づけられた寺院である。 人々が臨終を迎えた時に、向かって右の発遺の釈迦如来が現世から来世へと送り出し、向かって左の来迎の阿弥陀如来が極楽浄土へ迎え入れる。二尊がタッグを組むことで人々をもれなく救おうとする考えである。 釈迦如来は右手を上に、左手を下に向けた施無畏印(せむいいん)を組んでおり、阿弥陀如来は左手を上に、その親指と他の指で輪をつくる来迎印を組んでい る。一般に阿弥陀如来は右手を上にした仏像が多いが、ここでは左手を上にすることで、隣の釈迦如来と左右対称のバランスとなっている。 また光背も含めてほぼ左右対称であるが、衣文(えもん)などには違いがみられる。二体は鎌倉時代の同時代の作と考えられる。
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