京都の仏像を鑑賞する

広隆寺・弥勒菩薩半跏思惟像

広隆寺・弥勒菩薩半跏思惟像

仏像(広隆寺・弥勒菩薩半跏思惟像)の特徴

弥勒菩薩(みろくぼさつ)とは「釈迦の死後56億7千万年後の世に降りてきて釈迦に代わって人々を救う未来仏」とされている。弥勒菩薩半跏思惟像(みろく ぼさつはんかしゅいぞう)は、片足を他方の足の上に乗せ台に座った姿で思索にふける弥勒菩薩像(みろくぼさつ)であり、人々を救済する方法を考え思索にふ ける様子を表現している。
広隆寺の弥勒菩薩半跏思惟像(みろくぼさつはんかしゅいぞう)=通称・宝冠弥勒(ほうかんみろく)は、1951年に国宝に指定され、国宝彫刻第1号となっ ている。切れ長の目や鼻筋のラインが簡潔で美しく、少しうつむき加減に思索にふける様子からは口元に穏やかな微笑みを浮かべているように見える。女性的と も思える華奢な体つきからは木肌が現れているが、制作当時は漆を塗った上に金箔で覆われていた。
制作当時の日本の仏像には珍しいアカマツの木から彫り出されていることから朝鮮半島から伝来した像であるとする説が有力となっている。
広隆寺にはもう一体、弥勒菩薩半跏思惟像(みろくぼさつはんかしゅいぞう)が安置されており、表情が困り哀しんでいるように見えるため、通称・泣き弥勒 (なきみろく)と呼ばれている。制作は7世紀半ばと考えられ、クスノキから彫りだされている。こちらも国宝に指定されている。

安置場所 広隆寺・新霊宝殿
指定 国宝彫刻第1号
制作年代 飛鳥時代(7世紀)
像高 84.2センチ
材質 木造一木造漆箔
住所 京都市右京区太秦峰岡町32
交通 京福電鉄 太秦駅からすぐ


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