仏像(六波羅蜜寺・空也上人像)の特徴
平安時代の中期に「南無阿弥陀仏」を唱えて人々に念仏を広めた六波羅蜜寺の開祖である空也上人の像である。空也上人が「南無阿弥陀仏」を唱えるとそ の一音一音(南・無・阿・弥・陀・仏)が阿弥陀仏になったという伝説を彫刻化している。彫刻自体は、鎌倉時代前期の作で、運慶の四男・康勝の作である。
左手には鹿の角のついた杖を持ち、布教のために履きこんだ草履で大地をしっかりと踏みしめ、痩せてはいるが民衆と共に生活 した空也上人の力強さを表現している。布教だけでなく、橋を架けたり井戸を掘るなど「市聖」と呼ばれ民衆から慕われた空也を生き生きと表現していて、その 写実的な表現からは空也の死後250年ほど経ってから制作されたとは思えない生命力が感じられる。
安置場所 | 六波羅蜜寺・宝物館 |
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文化財指定 | 重要文化財 |
制作年代 | 鎌倉時代前期 |
像高 | 117.6センチ |
材質 | 木造寄木造彩色 |
住所 | 京都市東山区五条通大和大路上ル東 |
交通 | 京都市バス清水道下車、徒歩7分 |