仏像(醍醐寺・薬師如来)の特徴
上醍醐の薬師堂は、理源大師・聖宝没後の延喜7年(907)、弟子の合理によって創建された。その時の薬師堂の本尊である薬師三尊坐像は、現在は下醍醐の 霊宝館に安置されている。薬師如来は頭も大きく体つきもどっしりと安定しており平安初期の貞観様式の流れを感じさせるが、一方で衣文線の彫りが浅く穏やか な造形からは10世紀に入った和様をみることができる。
左の手(向かって右)に持っている薬壷(やっこ)はカボチャ(南瓜)のような形をしているために瓜形壷(うりがたつぼ)と呼ばれ、この時代独特の形状であ る。光背に取り付けられた高さ20センチ弱の小さな六体の仏像もまた薬師如来であり、本体と合わせて「七仏薬師(しちぶつやくし)」を表現している。
同時期に造られたと考えられる脇侍(きょうじ)の日光・月光菩薩は、より穏やかな小さな顔で和様の特徴を備えている。
安置場所 | 醍醐寺・霊宝館 |
---|---|
文化財指定 | 国宝 |
制作年代 | 平安前期(913) |
像高 | 176.5センチ |
材質 | 木造一木造漆 |
住所 | 京都府京都市伏見区醍醐東大路町22 |
交通 | 京阪バス 醍醐三宝院前下車 徒歩すぐ |