京都三大祭のひとつ葵祭は、下鴨神社と上賀茂神社の例祭で、「枕草子」にも称えられています。内裏神殿の御簾をはじめ、御所車、勅使、供空者の衣冠、牛馬 にいたるまで、全てを葵の葉で飾ったことから「葵祭」と呼ばれ、「路頭の儀」と「社頭の儀」がよく知られ、路頭の儀が都大路約八キロの道のりに繰り広げら れる行事です。行列は、勅使をはじめ検非遣使、内蔵使、山城使、牛車、風流傘、斎王代など平安貴族そのままの姿で総勢約500人の列をつくり、午前10時 30分、京都御所を出発。そして王朝風の優雅な列が市中を練り、下鴨神社を経て、上賀茂神社へ向かいます。
第1列 検非違使(けびいし)・山城使(やましろづかい)
検非違使(けびいし)
平安京の警察であった検非違使の役人。行列の警備にあたる。
山城使(やましろつかい)
山城国を治めていた山城使(国司庁の長官)。
第2列 御幣櫃(ごへいびつ)・馬寮使(みりょうづかい)・牛車(ぎっしゃ)
馬寮使(みりょうづかい)
走馬をつかさどる六位の武官。
馬寮使(みりょうづかい)
走馬をつかさどる六位の武官。
第3列 舞人(まいうど)・勅使(ちょくし・近衛使)
舞人(まいうど)
近衛府の五位の武官で、歌舞の堪能者がこの日の舞人を勤める。
勅使(ちょくし・近衛使)
行列中の最高位者。四位近衛中将がこれを勤め、祭りの本来の主役。
第4列 陪従(べいじゅう)・内蔵使(くらづかい)
陪従(べいじゅう)
近衛府の五位の武官で、歌をうたい楽器を奏でる。
内蔵使(くらづかい)
近衛使が神前で奏上する御祭文を持参する役。
斎王列 斎王(さいおう)・女人(にょにん)
斎王(さいおう)
かつて未婚の内親王が務めていた。現在は京都在住の未婚女性から選ばれた斎王代が務める。きらびやかな十二単衣の重さは30キロもある。乗っている腰輿(およよ)は四方が開放され御簾(みす)が取り付けてあるので、四方輿ともいう。
女人(にょにん)
斎王に従う女人列。華やかに王朝絵巻を繰り広げる。