あらすじとゆかりの場所
昭和25年ごろの京都西陣・五番町遊廓を舞台に、家族を養うために丹後からきて娼妓となった夕子と、その同郷の幼なじみである学生僧・正順との悲恋を描いている。 ある日、住職と衝突した正順は幻滅と怒りから寺に放火し、逮捕されたのち留置場で自殺する。新聞で事件を知った夕子は、正順を追って自ら生命を絶つ。1950年に起きた金閣寺放火事件と水上勉の実体験から題材を得たフィクションとなっている。 (水上勉はノンフィクション的小説『金閣炎上』(1979年)も書いている。金閣炎上 (新潮文庫) )