落人が世をはかなんで隠れ住んだ大原の地に、比叡山を降りた僧たちが修行の場を求めたのが三千院のルーツとなる。寺の起源は 延暦7年(788)、最澄が比叡山延暦寺の東塔の梨の大樹の下に一宇を建てたことによる。洛中を経て、応仁の乱の後にここ大原に移転した。天台宗の5門跡のうちのひとつ。木立に包まれた本堂・往生極楽院は、久安4年(1148)頃の建立。 この他、豊臣秀吉の建立と伝えられる客殿や宸殿などがある。 金森宗和作の有清園、聚碧園と呼ぶ2つの庭園も見事である。 春の桜に始まり、初夏のあじさい、秋の紅葉、冬の雪と、三干院は季節ごと風情をみせる。