今宮神社東門に面した「一文字屋和助」は、略して「一和」として親しまれている。創業は長保二年(1000年)、今宮神社の創建当時から厄よけのお餅として神前に供えられるとともに、参拝者の間で食べられてきた。その後、千利休があぶり餅を茶菓がわりに用い、現在も千家の御用達となっている。
きなこをまぶした親指大の餅を手づくりの竹ぐしに突き刺す。竹の先が2本に分かれているのは、竹の弾力を利用して餅が落ちないようにしているため。
竹ぐしに刺した餅は店頭の備長炭であぶり、最期に白味噌に砂糖を加えた秘伝の味噌だれにつけてでき上がり。お茶とともに運ばれてきたほんのり温かいあぶり餅には格別の味わいがある。