ロゴ

京都時代別散策・江戸時代

二条城は幕府の力を示すためでもあった。

二条城は、 もともと城郭としてではなく幕府の住居として建てられた性格のものです。 その真の目的は、御所にたいして目を光らせ、幕府の力を示すためでもありました。まず、1603(度長8)年、家康は御所の守護として、また将軍の宿泊所として、二の丸御殿を造りました。 また、3代将軍家光のときに本丸と石垣、さらにお壕を完成させました。

二条城・唐門

地下鉄東西線 二条城前駅下車すぐ

二条城・唐門

唐門は、伏見城の遺溝であり、華やかな桃山建築を伝えている。

二条城・二の丸御殿

地下鉄東西線 二条城前駅下車すぐ

二条城・二の丸御殿

1603(度長8)年、家康は二の丸御殿を造りました。御殿は全部で33室、800畳の広さがあり、桃山期の武家風書院造り

二条城・石垣とお壕

地下鉄東西線 二条城前駅下車すぐ

二条城・石垣とお壕

3代将軍家光のときに本丸と石垣、さらにお壕を完成させた。

二条城・天守閣跡から御殿を望む

地下鉄東西線 二条城前駅下車すぐ

二条城・天守閣跡から

天守閣は江戸中期に焼けているが、天守台(天守閣跡)にたつと、京の三方の山々が一望できる。

京の豪商・角倉了以による河川開削と流通経済の活性化。

桃山時代から江戸初期に活躍した京の豪商・角倉了以(天文23年=1554年~慶長19年=1614年)は、海外貿易家として活躍する反面、江戸初期には河川開削事業に活躍しました。江戸時代の慶長11年(1606)年から半年余りかけて大堰川(保津川下流)の開削を行ないました。この開削によって丹波から米および材木などの物資が、険しい山道を通ることなく京都へ運ばれることになりました。また慶長16年(1611)には、人工の河・高瀬川の開削工事に着手し慶長19年(1614)に完成しました。この高瀬川は、京都二条から伏見までの水運を開削したもので、このことで京都から伏見を経由して大阪までの水運が開け、京と全国の物資の大集積地であった大坂との商業交流がいっそう盛んとなりました。

大堰川(保津川下流)

保津川下りは亀岡から嵐山まで

大堰川

大堰川(保津川下流)の水運は、現在では保津川下りなどの遊船によって体験することができる。

史跡・高瀬川一之船入跡

三条京阪

高瀬川一之船入跡

高瀬川を通行する高瀬舟の荷物のあげおろしをする船留所を船入という。

歌舞伎の発祥と発展。

江戸幕府が開かれた頃、出雲の「阿国」によって歌舞伎が生まれました。のち遊女歌舞伎・若衆歌舞伎へと変化しますが、いずれも風俗を乱すとして幕府から禁令がでると、成人した男性だけの野郎歌舞伎へと変化しました。元和年間(1615~24年)には四条河原の七軒の常設芝居小屋が幕府から公許されました。貞享三年(1686)に作られた京大繪図には七軒の芝居小屋の位置が記され、周辺には水茶屋もみられ、その規模は、河原から大和大路にまで至っています。 しかし数度の大火に遭遇し、江戸時代後期の化政時代には、南北に二座を残すのみとなりました。明治維新後は、南座のみとなり現在にいたっています。

南座

四条京阪

南座

いまの南座は桃山建築の様式の破風造りで、正面の櫓や舞台上の唐破風などは、歌舞伎小屋本来の面影をいまに伝えるものである。

江戸時代の商業の発展。

錦市場は京の台所と呼ばれています。 四条通りの北に位置する筋で、東は新京極に面した錦天満宮からまっすぐ西へ、全長は約400mの市場です。 錦の市の始まりは、室町時代に魚を商う市が立ったことによります。地下水が豊富に湧き出たために、生鮮食品の商いに都合がよかったためです。そし水運・陸運が発達した江戸時代には、多くの食材が集まり、たいへん賑わいを見せました。

錦市場

地下鉄 四条駅

錦市場

午前は仕入れの料理人、午後からは買い物客や観光客らで賑わう。 鮮魚だけでなく塩干物、京野菜、京漬物、惣菜などを商う店が軒を連ね、京のおばんざい(家庭料理)を知る上でも訪れたいところ。

祇園や先斗町などの茶屋街の形成。

江戸時代の寛文10年(1670年)、鴨川の洪水防止のため護岸工事が行なわれ、堤防(東石垣、西石垣)が築かれたことで先斗町や宮川町の通りが生まれ、茶屋町が形成されるきっかけとなりました。両岸の茶屋からは、張出式の床も出されるようになりました。一方、正徳3年(1713年)には、知恩院の山門から西へ縄手通りまで参拝者のための道が作られました。道筋には祇園六町がつくられました。 以来、江戸時代の町民文化の浮世草子、浄瑠璃、歌舞伎、音曲の舞台となりました。

鴨川納涼床

阪急四条河原町

鴨川納涼床

現在でも鴨川納涼床として、5月1日から9月30日まで、先斗町の飲食店では張出式の床で夕食を楽しむことができる。

祇園新橋

市バス祇園5分

祇園新橋

祇園新橋には、紅柄格子のお茶屋が軒を連らね「伝統的建造物保存地区」に指定されている。